叡啓大学とは?【2027年度入試対応】

偏差値・入試・共通テスト・英語・就職・学費を徹底解説

叡啓大学は、広島県広島市にある公立大学です。

2021年4月に開学した比較的新しい大学で、設置されているのは、

ソーシャルシステムデザイン学部 ソーシャルシステムデザイン学科

の1学部1学科のみです。

入学定員は100名で、一般的な総合大学とはかなり異なる教育を行っています。

「叡啓大学の偏差値はどのくらい?」
「ソーシャルシステムデザインとは何を学ぶの?」
「共通テストでは何点必要?」
「英語が得意でないと受験できない?」
「総合型選抜では何をする?」
「新しい大学だけれど就職は大丈夫?」
「学費はいくら?」
「叡啓大学はどんな高校生に向いている?」

この記事では、このような疑問を持つ高校生・保護者に向けて、叡啓大学の特徴、ソーシャルシステムデザイン学部、偏差値・難易度、2027年度入試、共通テスト、英語教育、PBL、留学、就職、学費、受験対策まで詳しく解説します。


叡啓大学とは?

叡啓大学は、広島市中区幟町にキャンパスを置く公立大学です。

英語名称は、

Eikei University of Hiroshima

です。

2021年4月に開学し、大学の目的として、

文系・理系という従来の枠を越えて知識やスキルを組み合わせ、他者と協働しながら社会課題を解決し、新しい価値を創り出せる人材を育成すること

を掲げています。

つまり、

「経済学だけを学ぶ大学」

「情報工学だけを学ぶ大学」

というタイプではありません。

社会問題を一つの学問だけで考えるのではなく、

経済
経営
社会
政治
データサイエンス
ICT
デザイン
英語
国際関係

などの知識を組み合わせながら、

「どうすれば社会をより良くできるのか」

を考える大学です。


日本で唯一の「ソーシャルシステムデザイン学部」

叡啓大学の最大の特徴は、

ソーシャルシステムデザイン学部

です。

大学公式サイトでも「日本で唯一のソーシャルシステムデザイン学部」と紹介されています。

では、

ソーシャルシステムデザインとは何でしょうか。

叡啓大学では、

「自らの将来がありうべき社会像を創ること」

という考え方を示しています。

社会の仕組みを理解し、

問題を発見し、

原因を分析し、

解決策を考え、

実際に行動する。

この一連のプロセスを学ぶのが、ソーシャルシステムデザインです。


何を研究する学部なのか?

研究テーマは非常に幅広くなります。

例えば、

人口減少
地域活性化
環境問題
食品ロス
プラスチック問題
多文化共生
観光
教育
交通
地方創生
企業経営
AI・デジタル技術

などです。

大学側も、環境問題、人口減少、地域衰退、食品ロス、プラスチック問題、多文化共生などを、簡単には答えが出ない現代社会の課題として挙げています。

例えば、

「地域から若者が減っている」

という問題を考えるとします。

経済だけを調べても十分ではありません。

そこには、

雇用。

教育。

交通。

住宅。

地域文化。

企業。

行政。

デジタル化。

など、さまざまな要素が関係しています。

叡啓大学では、このような複雑な社会問題について、複数の専門分野を組み合わせながら解決策を考えていきます。


「デザイン」といっても絵を描く大学ではない

大学名や学部名を見て、

「デザイン学部だから絵を描くの?」

と思う高校生もいるかもしれません。

しかし、ここでいうデザインは、

グラフィックデザインや美術だけを意味するものではありません。

社会の仕組みそのものを設計するという意味です。

例えば、

「高齢者が移動しやすい街をどう作るか」

「観光客と住民が共存できる観光政策をどう作るか」

「食品ロスを減らす仕組みをどう作るか」

などについて、

あるべき未来を描き、その未来を実現する仕組みを考える

ことがソーシャルシステムデザインです。


叡啓大学の重要キーワード「5つのコンピテンシー」

叡啓大学では、学生が身につける能力として、

グローバル・コラボレーション力
先見性
戦略性
実行力
自己研鑽力

という5つのコンピテンシーを重視しています。

単に大学で知識を覚えることを目的としていない点が特徴です。

例えば、

社会の変化を先読みする。

問題の本質を見抜く。

解決方法を考える。

人と協力する。

実際に行動する。

そして、自分自身も学び続ける。

こうした力を4年間で鍛えていきます。


アクティブ・ラーニング中心の授業

叡啓大学の授業は、

「先生の話を聞いてノートを取るだけ」

というスタイルとはかなり異なります。

すべての授業で学生参加を重視するアクティブ・ラーニングを取り入れており、対話、グループワーク、フィールドワークなどを通して学びます。

受験生向けサイトでは、基本的に1クラス25人程度の少人数教育と説明されています。

そのため、

「大人数の講義で黙って授業を聞きたい」

という人よりも、

自分の意見を言いたい
人と話すことが好き
議論することが好き
自分で考えたい

という高校生の方が大学との相性はよいでしょう。


PBLとは?

叡啓大学の教育で特に重要なのが、

PBL(Project Based Learning/課題解決型学習)

です。

課題解決演習では、

企業
自治体
NPO
国際機関

などが実際に抱えている社会課題について、学生がチームで解決策を考えます。

つまり、

「教科書に答えが書いてある問題」

ではありません。

現実の社会では、

正解が一つではない問題

がほとんどです。

そのような問題について、

情報を集める。

分析する。

人の意見を聞く。

アイデアを出す。

提案する。

実行する。

という経験を積むことが、叡啓大学の教育の大きな柱です。


ICT・AI・データサイエンスも学ぶ

ソーシャルシステムデザイン学部は文系大学のように見えるかもしれません。

しかし実際には、

ICT
データサイエンス
デジタル技術

なども基本ツールとして学びます。

現在では、

地域活性化。

企業経営。

観光。

行政。

教育。

環境問題。

どの分野でもデータ活用が欠かせません。

例えば観光政策を考える場合でも、

観光客数。

滞在時間。

移動経路。

消費額。

SNSデータ。

などを分析することで、新しい課題が見えてきます。

そのため叡啓大学では、

文系×データサイエンス

という学びも重要になります。


英語教育が非常に重要

叡啓大学を志望する高校生が必ず確認しておきたいのが、

英語力

です。

叡啓大学では「多様性のための英語」を教育上の大きな特徴の一つに位置づけています。

留学生とともに学ぶ環境があり、実践的な英語を身につけながら、多様な文化や価値観を理解することを目指します。

さらに入試でも英語力が重要です。


2027年度入試ではCEFR B1以上が必要

2027年度の一般選抜では、

CEFR B1相当以上の英語力

を持っていることが出願要件の一つになっています。

これは一般選抜だけでなく、総合型選抜や学校推薦型選抜でも重要な条件です。

つまり、

「共通テストで英語を受験すればよい」

という大学ではありません。

英検などの英語資格・検定試験を利用して、所定の英語力を証明する準備が必要になります。

叡啓大学を志望するなら、高校3年生になってから慌てて英語資格を取るのではなく、高校1・2年生から英検などに取り組むことをおすすめします。


留学・海外経験も大学教育の一部

叡啓大学では海外経験も重視されています。

体験・実践プログラムでは、企業・地方自治体・国際機関・NPOなどと連携し、インターンシップやボランティア、留学などに取り組みます。

さらに在学中に一度は国外での活動を経験することが必須とされています。

海外留学には交換留学や認定留学などがあります。

交換留学の場合、本学の授業料を納めることで、原則として留学先大学の授業料は免除されます。ただし渡航費や現地生活費などは必要です。

「海外に興味はあるけれど、自分から留学する勇氣がない」

という学生にとっても、海外経験がカリキュラムの中に位置づけられている点は特徴的です。


卒業論文ではなく「卒業プロジェクト」

叡啓大学では4年間の学びの集大成として、

卒業プロジェクト

を行います。

学生自身がテーマを設定し、課題を明確にして解決策を考えます。

さらに企業・行政などの外部評価者から、新規性や実現可能性についてフィードバックを受け、最後には成果を公開プレゼンテーションします。

つまり、

「論文を書いて終わり」

ではありません。

自分が大学で学んだことを現実社会の課題へどう生かすのか

まで考える教育になっています。


叡啓大学の偏差値・難易度は?

「叡啓大学 偏差値」という検索は多いものの、叡啓大学の場合は偏差値だけで難易度を判断することはおすすめできません。

その理由は、入試制度そのものが特徴的だからです。

総合型選抜では、

志望理由書
活動報告書
グループディスカッション
面接

などが重視されます。

一般選抜でも、

大学入学共通テスト+出願書類+面接

によって合否を判定します。

したがって、

「模試の偏差値が○○だから合格できる」

という考え方より、

学力+英語力+考える力+コミュニケーション力+志望理由

の総合力が必要な大学と考えた方がよいでしょう。


2027年度一般選抜の共通テスト

2027年度一般選抜では、

4教科または5教科・5科目、700点満点

で大学入学共通テストを利用します。

必須科目は、

国語:200点
数学Ⅰ・A:100点
英語:200点

です。

さらに、

地理歴史・公民
数学Ⅱ・B・C
理科
情報Ⅰ

から高得点の2科目、合計200点を利用します。

この方式は比較的自由度があります。

文系受験生なら社会を生かす。

理系受験生なら数学・理科を生かす。

情報が得意なら情報Ⅰを生かす。

という戦略が可能です。


2027年度入試の募集人数

叡啓大学の入学定員は100名です。

2027年度の募集人員は、

総合型選抜・専願枠:20名
総合型選抜・併願枠:30名
学校推薦型選抜:15名
一般選抜:15名
秋入学・留学生選抜:20名

となっています。

つまり、日本の高校生にとっては一般選抜だけでなく、総合型選抜の募集人数がかなり大きい大学であることが分かります。


総合型選抜が重要な大学

叡啓大学を第一志望にしているなら、総合型選抜はぜひ検討したい方式です。

2027年度総合型選抜の専願枠は20名。

第2次選考では、

グループディスカッション
個人面接

が実施されます。

面接では日本語だけでなく、英語による質疑応答もあります。

ただし英語で高度な学術議論ができるかだけを見るのではなく、英語でコミュニケーションを行う姿勢なども評価すると大学は説明しています。


グループディスカッション対策

叡啓大学の入試で特徴的なのがグループディスカッションです。

単に自分の意見を強く主張すればよいわけではありません。

重要なのは、

相手の話を聞く
論点を整理する
自分の意見を根拠とともに述べる
異なる意見を受け入れる
グループとして議論を前に進める

ことです。

これはまさに大学が重視する「グローバル・コラボレーション力」とつながります。

日頃から社会問題について家族や友人、先生と話し合う習慣を持つとよいでしょう。


学校推薦型選抜

2027年度学校推薦型選抜の募集人員は15名です。

対象は、広島県内に本部校を持つ高校・中等教育学校などの対象者で、1校あたり推薦人数は2名までとなっています。

学校推薦型選抜でも、

グループディスカッション
個人面接
英語による質疑応答

が実施されます。

そのため定期テストや評定だけでなく、

自分の考えを人に伝える力

を鍛えておくことが重要です。


叡啓大学の就職は?

叡啓大学は2021年開学のため、

「新しい大学だから就職実績が分からない」

と不安に感じる保護者もいるでしょう。

しかし2025年3月に第1期卒業生58名が卒業し、初めて具体的な就職データが公表されました。

就職希望者48名についての**就職率は100%**です。

就職者のうち、

企業・団体:44名
公務員:4名

でした。

就職先の多い業界として情報通信、金融・保険などが挙げられています。


主な就職先

第1期卒業生の主な就職先には、

みずほフィナンシャルグループ
三井住友海上火災保険
住友金属鉱山
NTTデータ中国
CloverWorks
GO
中国新聞社
星野リゾート・マネジメント
広島電鉄
N高等学校
広島市役所
福山市役所

などがあります。

特定の業界に限定されず、IT、金融、メーカー、メディア、観光、公務員など幅広い進路に進んでいることが特徴です。


起業する卒業生もいる

叡啓大学らしい進路として注目したいのが、

起業・起業準備:3名
家業継承:1名

という実績です。

大学では、アントレプレナーシップ教育やプロジェクト型教育を重視しています。

そのため、

「大企業に就職する」

だけではなく、

自分で事業を作る
地域でプロジェクトを始める
家業を新しい形へ変える

という進路も考えられます。


東京への就職も多い

第1期卒業生の勤務先企業の本社所在地を見ると、

東京都:20名
広島県:18名

で、東京が最も多くなっています。

つまり、

「広島の公立大学だから就職も広島中心」

というわけではありません。

全国・海外を視野に入れたキャリアを考えることができます。


叡啓大学の学費

授業料は、

年間535,800円

です。

入学料は、

広島県内在住者:282,000円
広島県外在住者:394,800円

となっています。

公立大学ですが、入学料について県内・県外で差がある点に注意してください。

また、高等教育の修学支援新制度による入学料・授業料減免や、日本学生支援機構の奨学金制度も利用できます。


広島市中心部にある都市型キャンパス

叡啓大学の所在地は、

広島県広島市中区幟町1-5

です。

郊外型の大規模キャンパスではなく、広島市中心部に位置する都市型大学です。

社会との連携を重視する大学なので、

企業
行政
地域団体
国際機関

などとつながりやすい立地も教育の特徴と考えられます。

「大学の中だけで4年間過ごす」のではなく、

街そのものを学習フィールドにする

という考え方と相性のよいキャンパスです。


叡啓大学に向いている人

叡啓大学は、特に次のような高校生に向いています。

社会問題について考えることが好きな人

人口減少、地域活性化、環境、教育、多文化共生などについて考えたい人との相性がよい大学です。

正解のない問題を考えることが好きな人

「答えを暗記する勉強」だけではなく、自分なりの答えを作ることが求められます。

人と話すこと・協働することが好きな人

グループワークやPBLが多いため、一人だけで勉強したい人より、他者と協力できる人に向いています。

英語を使えるようになりたい人

入試段階からCEFR B1相当の英語力が必要で、入学後も英語や国際交流を重視します。

起業や新規事業に興味がある人

課題を見つけ、アイデアを形にする教育と相性があります。


逆に叡啓大学が合わない可能性がある人

大学には相性があります。

例えば、

一つの学問を最初から徹底的に専門研究したい

という人は、経済学部、法学部、工学部など専門学部がある大学の方が合う可能性があります。

また、

グループワークが極端に苦手
人前で意見を言いたくない
英語をできるだけ避けたい

という場合には、叡啓大学の教育スタイルを負担に感じる可能性があります。

だからこそ偏差値だけで決めず、オープンキャンパスなどで実際の授業スタイルを確認することが重要です。


叡啓大学に合格するための勉強法

①英語資格を早めに取得する

最優先事項の一つです。

2027年度一般選抜、総合型選抜、学校推薦型選抜では、CEFR B1相当以上の英語力が重要な出願要件になっています。

高校1・2年生から英検などに挑戦しておきましょう。


②国語力を鍛える

叡啓大学の学びでは、

文章を読む
情報を整理する
問題を発見する
自分の意見を伝える

という能力が重要です。

これは国語力と直結します。

現代文では答えだけを見るのではなく、

なぜその答えになるのか

を説明できるようにしましょう。


③社会問題について「自分の意見」を持つ

ニュースを見るだけでは不十分です。

例えば食品ロスについてニュースを読んだら、

「なぜ起きるのか」

「誰が困るのか」

「企業は何ができるか」

「行政は何ができるか」

「自分ならどう解決するか」

まで考えてみてください。

これがPBLやグループディスカッションの基礎になります。


④共通テストはバランス型を目指す

一般選抜では、国語・数学ⅠA・英語が必須です。

さらに社会・数学ⅡBC・理科・情報から高得点の2科目が採用されます。

そのため高校1・2年生の段階では特定科目を捨てず、

英語・国語・数学を中心に基礎学力を作る

ことが重要です。


高校1・2年生から叡啓大学を目指すなら

高校1・2年生なら、大学受験の問題集だけに集中する必要はありません。

むしろ、

学校外で何を経験するか

も大切です。

例えば、

地域のボランティア。

文化祭の企画。

生徒会。

探究活動。

海外交流。

地域イベント。

ビジネスコンテスト。

などです。

総合型選抜では活動報告書も提出します。

大切なのは、

「実績を作るために活動する」

のではありません。

活動を通して、

何を感じ、何を考え、どう行動したのか

を自分の言葉で説明できるようにすることです。


まとめ|叡啓大学は「未来の社会を自分でつくる」ための大学

叡啓大学は2021年に開学した、広島市中心部にある公立大学です。

設置されているのは、

ソーシャルシステムデザイン学部 ソーシャルシステムデザイン学科

の1学部1学科で、入学定員は100名です。

大学の大きな特徴は、

文理融合
アクティブ・ラーニング
PBL
英語
データサイエンス・ICT
海外経験
企業・行政との連携
卒業プロジェクト

です。

特に、

「答えを教えてもらう」のではなく、「自分で問いを作る」

という学びを重視しています。

2027年度入試では、

総合型選抜専願枠20名。

総合型選抜併願枠30名。

学校推薦型選抜15名。

一般選抜15名。

秋入学の留学生選抜20名。

という募集構成です。

一般選抜では共通テストを利用し、国語・数学ⅠA・英語を必須とした4教科または5教科5科目700点満点で選考します。

さらに書類審査とオンライン面接があり、出願にはCEFR B1相当以上の英語力が必要です。

就職面についても、2025年3月に卒業した第1期生では、就職希望者48名の就職率が100%となりました。

IT。

金融。

メーカー。

メディア。

観光。

公務員。

起業。

大学院。

など、進路も非常に多様です。

叡啓大学を志望する高校生に最も考えてほしいのは、

「何学部に入りたいか」ではなく、「社会のどんな問題を解決したいか」

ということです。

人口減少を解決したい。

地域を元氣にしたい。

教育を変えたい。

環境問題を解決したい。

新しいビジネスを作りたい。

海外と日本をつなぎたい。

AIやデータを社会に役立てたい。

そのような「問い」を持っている高校生にとって、叡啓大学は非常に特徴的な選択肢になります。

一方で、まだ明確な答えを持っている必要はありません。

重要なのは、

社会に疑問を持ち、自分で考え、人と協力し、行動してみたいと思えるかどうか。

叡啓大学は、

「大学で何を覚えるか」よりも、「大学で何を問い、何をつくるか」

を大切にする大学です。

従来型の学部選びとは少し違った大学教育を求めている高校生にとって、叡啓大学は非常に興味深い公立大学の一つといえるでしょう。