走る・跳ぶ・投げる・集中する力を高める身体の土台づくり
「うちの子は足が遅い」
「すぐに疲れてしまう」
「運動が苦手」
「姿勢が悪いと言われる」
このような悩みを持つ保護者の方は少なくありません。
しかし、私は長年学習塾の塾長として子どもたちを見てきただけでなく、20年以上にわたり身体の研究と施術を続けてきました。その経験から言えることがあります。
小学生の運動能力を向上させるために最も重要なのは、筋力トレーニングでも特別なスポーツ教室でもありません。
それは「姿勢」です。
姿勢が整うことで、身体は本来持っている能力を発揮できるようになります。
逆に姿勢が崩れていると、どれだけ練習しても力を十分に発揮することができません。
今回は、小学生の運動機能と姿勢の関係について詳しく解説します。
運動能力の土台は姿勢で決まる
人間の身体には重力が常にかかっています。
立つ
歩く
走る
ジャンプする
ボールを投げる
すべての動作は重力との関係の中で行われています。
姿勢が良い状態とは、身体の軸が整い、重力を効率よく受け止められる状態です。
一方、姿勢が悪い状態では、
首が前に出る
背中が丸まる
骨盤が後ろに倒れる
肩が内側に入る
などの状態になります。
すると身体の一部の筋肉ばかりが頑張ることになり、余計な力を使うようになります。
結果として、
疲れやすい
集中できない
運動が苦手
転びやすい
という状態になります。
最近の子どもたちに多い問題
私が多くの小学生を見ていて感じるのは、首や肩が非常に硬い子どもが増えていることです。
原因は主に
スマートフォン
タブレット
ゲーム
長時間の座位姿勢
です。
画面を見るために首を前に出す姿勢が続くと、頸椎の自然なカーブが失われます。
いわゆるストレートネックの状態です。
この状態になると、
頭痛
肩こり
疲労感
集中力低下
運動能力低下
が起こりやすくなります。
実際に運動が苦手な子どもを観察すると、多くの場合、首から背中にかけて強い緊張があります。
運動能力を高めるためにまず整えるべき場所
① 頭の位置
頭は体重の約10%を占めています。
体重30kgの子どもなら約3kgです。
ボウリングの球に近い重さがあります。
この重い頭が前に出ると首の筋肉は常に緊張します。
まずは耳・肩・股関節が一直線になる位置を意識しましょう。
② 骨盤
骨盤は身体の土台です。
家で例えるなら基礎部分です。
基礎が傾けば家全体も傾きます。
骨盤が後ろに倒れている子どもは、
走るのが遅い
ジャンプ力が低い
長時間座れない
という特徴があります。
座る時も立つ時も骨盤を立てる意識が大切です。
③ 足裏
足裏は身体と地面をつなぐ唯一の場所です。
近年は靴の性能向上により、足裏の感覚が弱くなっている子どもも増えています。
裸足で遊ぶ
芝生を歩く
砂場で遊ぶ
といった経験も重要です。
足裏からの情報が脳へ伝わり、バランス能力向上につながります。
姿勢が良い子はなぜ運動ができるのか
運動神経が良い子を観察すると共通点があります。
それは身体に無駄な力が入っていないことです。
例えば陸上のトップ選手。
野球選手。
サッカー選手。
武道家。
共通しているのは力んでいないことです。
必要な瞬間だけ力を発揮し、それ以外はリラックスしています。
姿勢が整うことで、
筋肉
神経
血流
呼吸
がスムーズになります。
すると身体が軽く動くようになります。
呼吸と運動能力の関係
意外と見落とされるのが呼吸です。
猫背になると胸が潰れます。
すると肺が十分に広がりません。
呼吸が浅くなります。
呼吸が浅くなると、
酸素供給量低下
疲労増加
集中力低下
が起こります。
運動能力の高い子どもは呼吸が深い傾向があります。
家庭でできる姿勢改善法
① 座り方を見直す
勉強中の姿勢を確認しましょう。
背中を丸めている
頬杖をついている
足をぶらぶらさせている
場合は要注意です。
机と椅子の高さを調整し、
股関節
膝
足首
が90度程度になるようにします。
② 外遊びを増やす
鬼ごっこ
縄跳び
ボール遊び
かけっこ
は最高の姿勢トレーニングです。
身体全体を使う運動が神経発達を促します。
③ ぶら下がり
公園の鉄棒でぶら下がるだけでも効果があります。
肩甲骨
背骨
握力
体幹
を同時に鍛えることができます。
④ 歩く習慣を作る
歩行は全身運動です。
特に姿勢を意識して歩くことで、
体幹
バランス
持久力
が向上します。
学力と運動能力はつながっている
私は塾長として多くの生徒を見てきました。
その中で感じることがあります。
姿勢の良い子は学習成績も良い傾向があります。
理由は簡単です。
姿勢が良いと、
呼吸が深い
疲れにくい
集中力が続く
血流が良い
からです。
実際に勉強が苦手な子どもの多くは、首や肩が硬く、座っているだけで疲れています。
つまり、
姿勢改善
↓
運動能力向上
↓
集中力向上
↓
学力向上
という好循環が生まれるのです。
まとめ
小学生の運動能力を向上させるために最も重要なのは、まず姿勢を整えることです。
姿勢が整うことで、
・身体が軽く動く
・疲れにくくなる
・呼吸が深くなる
・集中力が上がる
・運動能力が向上する
という変化が起こります。
特別なトレーニングを始める前に、まずは
頭の位置
骨盤の位置
足裏の使い方
呼吸
を見直してみてください。
運動神経は才能だけではありません。
身体の使い方を整えることで、多くの子どもたちは今よりもっと動けるようになります。
そしてその第一歩が、「正しい姿勢」なのです。

