語学だけではない。世界を学び、世界で活躍する人材を育てる国立大学
「外国語を学びたいなら東京外国語大学」
そのようなイメージを持つ人は多いでしょう。
しかし実際の東京外国語大学(通称:東京外大、TUFS)は、単なる語学専門大学ではありません。
世界の言語、文化、歴史、政治、経済、国際関係、日本研究などを総合的に学ぶことができる、日本を代表する国際系国立大学です。
東京都府中市に本部を置く東京外国語大学は、1873年にその源流が誕生し、150年以上の歴史を持っています。
外交官、国際機関職員、商社マン、ジャーナリスト、研究者、翻訳家、通訳者など、世界を舞台に活躍する人材を数多く輩出してきました。
今回は、東京外国語大学の歴史や特徴、学部構成、将来性について詳しく紹介します。
東京外国語大学の始まり
東京外国語大学のルーツは江戸時代までさかのぼります。
1811年、徳川幕府は海外の知識を学ぶために「蛮書和解御用」という翻訳機関を設置しました。
その後、
- 洋学所
- 蕃書調所
- 洋書調所
- 開成所
へと発展していきます。
明治維新後、日本が急速に近代化を進める中で、外国語を理解し海外と交流できる人材の育成が急務となりました。
そして1873年、東京外国語学校が設立されます。
これが現在の東京外国語大学の原点です。
つまり東京外国語大学は、日本が世界とつながるために誕生した大学とも言えるのです。
日本の国際化を支えてきた大学
現在、日本企業の多くは海外に進出しています。
また、
- 国際協力
- 外交
- 国際ビジネス
- 観光
- 多文化共生
など、世界との関わりはますます重要になっています。
東京外国語大学は、そのような国際社会で活躍する人材を育成するために存在してきました。
単に英語を話せる人を育てるのではなく、
「異文化を理解し、世界の課題を解決できる人材」
を育成することを目指しています。
世界トップレベルの語学教育
東京外国語大学最大の特徴は、圧倒的な語学教育です。
英語だけではありません。
現在は27の専攻言語があります。
主な言語だけでも、
- 英語
- フランス語
- ドイツ語
- スペイン語
- ポルトガル語
- ロシア語
- 中国語
- 韓国語
- アラビア語
- ペルシア語
- ヒンディー語
- タイ語
- ベトナム語
- インドネシア語
など多岐にわたります。
さらに、
アフリカ諸国の言語
中央アジアの言語
少数民族の言語
なども学ぶことができます。
これほど多くの言語を専門的に学べる大学は日本ではほとんどありません。
言語だけではなく文化も学ぶ
東京外国語大学の特徴は、「言葉だけを学ぶ大学」ではないことです。
例えば中国語を学ぶ場合、
- 中国の歴史
- 政治
- 経済
- 社会問題
- 文化
- 文学
まで学びます。
アラビア語を学ぶなら、
- 中東情勢
- イスラム文化
- 国際政治
も学びます。
つまり語学はあくまで入口です。
言語を通じて世界を理解することが、本当の目的なのです。
3つの学部
現在の東京外国語大学は3学部体制となっています。
言語文化学部
世界各地の言語と文化を学ぶ学部です。
27言語を中心に、
- 文学
- 歴史
- 哲学
- 文化研究
などを学びます。
3年次からは
- 地域コース
- 超域コース
に分かれ、より専門的な研究を進めます。
国際社会学部
国際問題を社会科学的に分析する学部です。
学べる内容は、
- 国際関係
- 政治学
- 経済学
- 地域研究
- 国際協力
などです。
世界で起きている紛争や貧困問題、環境問題などについて学びます。
将来、
- 外交官
- 国際公務員
- NGO職員
- 商社
などを目指す学生に人気があります。
国際日本学部
2019年に新設された学部です。
留学生と共に学びながら、
- 日本文化
- 日本社会
- 日本経済
- 日本語教育
などを研究します。
特徴的なのは学生の約4割が外国人留学生であることです。
日本を外から見る視点を身につけることができます。
留学制度が非常に充実
東京外国語大学の大きな魅力の一つが留学制度です。
世界100カ国以上の大学と交流協定を結んでいます。
在学中に海外へ留学する学生も非常に多く、
- アメリカ
- イギリス
- フランス
- ドイツ
- 中国
- 韓国
- タイ
- インドネシア
など世界中へ飛び立っています。
語学だけでなく現地で生活しながら文化や価値観を学べるため、卒業時には非常に高い国際感覚が身につきます。
アジア・アフリカ研究の拠点
東京外国語大学には、
アジア・アフリカ言語文化研究所
という日本有数の研究機関があります。
ここでは、
- 中東研究
- アフリカ研究
- 南アジア研究
- 東南アジア研究
などが行われています。
世界的にも評価の高い研究所であり、多くの研究者が集まっています。
卒業後の進路
東京外国語大学の卒業生は非常に幅広い分野で活躍しています。
代表的な進路は、
外交・国際機関
- 外務省
- JICA
- 国連関連機関
民間企業
- 総合商社
- 外資系企業
- メーカー海外部門
- 航空会社
マスコミ
- NHK
- 新聞社
- 出版社
教育
- 大学教員
- 高校教員
- 日本語教師
通訳・翻訳
- 会議通訳
- 翻訳家
- 国際イベントスタッフ
などです。
高い語学力と国際感覚を持つ人材として、多くの企業から高く評価されています。
府中キャンパスの魅力
現在のメインキャンパスは東京都府中市朝日町にあります。
緑豊かな環境でありながら、
- 新宿
- 渋谷
- 東京駅
など都心部へのアクセスも良好です。
キャンパス内では日常的に多くの留学生が行き交い、日本にいながら海外の大学のような雰囲気を感じることができます。
多言語が飛び交うキャンパスは、まさに国際大学そのものです。
これからの時代に求められる大学
AIの発達によって翻訳技術は急速に進歩しています。
しかし、機械が翻訳できても、
「文化の違いを理解する力」
「異なる価値観をつなぐ力」
「国際的な課題を解決する力」
までは代替できません。
東京外国語大学が育てているのは単なる語学人材ではなく、
世界と日本をつなぐ人材
です。
国際化が進む現代社会において、その価値はますます高まっています。
まとめ
東京外国語大学は、日本を代表する国際系国立大学です。
150年以上の歴史を持ち、外国語教育だけでなく、文化、歴史、政治、経済、国際関係、日本研究まで幅広く学ぶことができます。
27言語という国内屈指の語学教育環境、充実した留学制度、世界各地域の専門研究、そして高い就職実績は他大学にはない大きな魅力です。
これから世界で活躍したい人、日本と世界をつなぐ仕事がしたい人、多文化共生社会の未来を支えたい人にとって、東京外国語大学はまさに理想的な学びの場と言えるでしょう。
語学を学ぶ大学ではなく、「世界を学ぶ大学」。
それが東京外国語大学なのです。

