高校受験を控えた保護者の方から、よくこんな質問をいただきます。
「志望校については、誰に相談するのが一番いいのでしょうか?」
中学校の先生でしょうか。
高校の先生でしょうか。
それとも塾の先生でしょうか。
結論から言えば、誰か一人だけが「受験のすべてを知っている」というわけではありません。
それぞれに役割があり、それぞれに得意とする分野があります。
私たち進学個別アースリングでは、次のように考えています。
高校の先生は、自校の専門家。
中学校の先生は、学校生活と進路指導の専門家。
私たち進学塾は、受験戦略の専門家です。
この3つの違いを理解することは、お子さまに合った高校を選び、志望校合格を目指すうえで非常に重要です。
今回は、埼玉県の高校受験を例に、「誰に何を相談すればよいのか」、そして進学塾が受験において果たすべき役割について考えていきたいと思います。
高校の先生は「自分の学校」を最もよく知っている
高校の先生は、当然ですが、その高校について最も詳しい存在です。
学校の教育方針、授業内容、学校行事、部活動、大学進学実績、指定校推薦、進路指導、校則、学校生活など、その学校の詳しい情報については、実際に働いている先生に聞くのが一番です。
特に学校説明会や個別相談会は、受験生にとって非常に重要です。
ホームページや学校案内を見るだけでは分からない「学校の空氣」を感じることができるからです。
先生方がどのような考え方で生徒と接しているのか。
生徒たちはどのような表情で学校生活を送っているのか。
学校全体に活氣があるのか。
自分が3年間通っている姿を想像できるのか。
こうした部分は、偏差値表だけを見ていても分かりません。
だからこそ、志望校を考える際には、実際に学校説明会や文化祭などに足を運ぶことをおすすめしています。
ただし、高校の先生は基本的に「自分の学校の専門家」です。
例えば、
「A高校とB高校では、うちの子にはどちらが合っていますか?」
「第一志望を県立高校にする場合、私立はどこを併願すればいいですか?」
「北辰テストの偏差値が55ですが、どの高校まで狙えますか?」
こうした複数の学校を横断した質問については、高校の先生の本来の役割とは少し異なります。
高校の先生には、その学校について深く聞く。
これが大切です。
中学校の先生は「学校生活と進路指導」の専門家
中学校の先生は、お子さまの日々の学校生活を最も近くで見ている存在です。
授業への取り組み方、提出物、定期テスト、生活態度、部活動、友人関係など、塾では見ることのできない学校での姿を知っています。
また、高校受験において重要になる調査書や内申点についても、中学校は重要な役割を担っています。
そのため、
「内申点を上げるには何が必要なのか」
「提出物はきちんと出せているのか」
「学校生活で改善すべき点はあるのか」
といったことについては、中学校の先生に相談することが大切です。
一方で、中学校の先生は非常に多くの生徒を担当しています。
一人の先生が数十人の生徒の進路相談を担当することもあります。
そのため、一人ひとりについて何十校もの高校を細かく比較し、北辰テストの推移を分析し、併願戦略を組み、入試までの学習計画まで個別に設計することには、現実的に限界があります。
これは先生の能力の問題ではありません。
そもそも学校と塾では、役割が違うのです。
進学塾は「受験戦略」の専門家
では、進学塾の役割とは何でしょうか。
もちろん、数学や英語を教えることも大切な仕事です。
しかし、私たちはそれだけでは不十分だと考えています。
受験生にとって本当に必要なのは、
「今の自分はどこにいるのか」
そして、
「志望校に合格するためには、これから何をすればいいのか」
を明確にすることです。
例えば、北辰テストの偏差値が50の生徒がいたとします。
単純に「偏差値50だから偏差値50の高校を受けましょう」と考えるわけではありません。
数学は偏差値55だけれど、英語は45かもしれません。
内申点が高い生徒もいれば、低い生徒もいます。
部活動を最後まで続けたい生徒もいます。
大学進学を重視する生徒もいれば、高校卒業後の就職や専門学校を考えている生徒もいます。
そして、毎日通う高校ですから、通学時間も非常に重要です。
同じ偏差値の高校であっても、鶴瀬から30分で通える学校と、1時間以上かかる学校では、3年間の生活は大きく変わります。
だからこそ、私たちは偏差値だけで学校を選ぶべきではないと考えています。
「合格できる高校」と「その子に合った高校」は違う
高校受験で私が特に大切だと考えているのが、この視点です。
合格できる高校と、その子に合っている高校は、必ずしも同じではありません。
偏差値だけで考えれば合格できる学校でも、校風が本人に合わないことがあります。
逆に、現在の偏差値では少し届いていなくても、本人が「どうしてもこの高校に行きたい」と強く希望するのであれば、そこから受験戦略を組み直すこともできます。
例えば現在の北辰偏差値が52で、目標とする高校に55が必要だとします。
そうであれば、
「無理です」
で終わるのではなく、
「あと3上げるためには何が必要なのか」
を考える。
英語を5点上げる。
数学の大問1を確実に取る。
理科・社会の基礎問題を落とさない。
国語の作文対策をする。
こうして、一つひとつ具体的な戦略に落とし込んでいきます。
これが、私たちが考える「受験戦略」です。
北辰偏差値だけでは高校は決められない
埼玉県の高校受験では、北辰テストを一つの参考にして志望校を考えるご家庭が多くあります。
しかし、偏差値はあくまで一つの指標です。
進路を考える際には、
- 現在の学力
- 内申点
- 北辰テストの偏差値
- 得意科目と苦手科目
- 志望校の入試傾向
- 公立・私立の併願
- 通学時間
- 部活動
- 校風
- 大学進学実績
- 指定校推薦
- 本人の希望
- 将来の進路
こうした複数の要素を総合的に考える必要があります。
例えば、偏差値55の生徒がいたとしても、全員に同じ高校をすすめるわけではありません。
大学進学を重視するのか。
英語教育を重視するのか。
部活動を頑張りたいのか。
男子校・女子校・共学校のどれを希望するのか。
本人が何を大切にしているのかによって、選ぶべき学校は変わります。
私立高校選びも「受験戦略」の一つ
埼玉県の高校受験では、県立高校だけでなく、私立高校の選び方も非常に重要です。
「県立が第一志望だから、私立はどこでもいい」
という考え方はおすすめできません。
万が一、県立高校に届かなかった場合、その私立高校に3年間通う可能性があります。
だからこそ、私立高校も「実際に進学しても納得できる学校」を選ぶべきです。
また、私立高校にはコース制を設けている学校も多く、同じ高校でもコースによって教育内容や進学目標が異なる場合があります。
学校名だけで判断するのではなく、
「どの高校の、どのコースを選ぶのか」
まで考える必要があります。
県立高校と私立高校を別々に考えるのではなく、一つの受験戦略として組み合わせることが重要なのです。
進学個別アースリングが考える進路指導
進学個別アースリングでは、単に「この偏差値ならこの高校」と学校を決める進路指導はしたくないと考えています。
大切なのは、その子自身を見ることです。
現在の学力を見る。
内申点を見る。
北辰テストの結果を見る。
得意科目、苦手科目を見る。
本人の性格を見る。
本人の希望を聞く。
保護者の考えも聞く。
通学時間を考える。
そして、その先の大学進学や将来についても考える。
そのうえで、数多くの学校の中から「その子に合った学校」を一緒に探していく。
これが、私たちが考える進路指導です。
偏差値はもちろん重要です。
しかし、偏差値だけで人生が決まるわけではありません。
高校は、3年間という大切な時間を過ごす場所です。
どんな友人と出会うのか。
どんな先生と出会うのか。
どんな経験をするのか。
そして、その3年間を通してどんな人間に成長するのか。
そこまで考えて学校を選んでほしいと思っています。
受験は「情報」と「戦略」で変わる
受験勉強は、ただ長時間勉強すればよいわけではありません。
現在の自分の位置を知り、目標を決め、そこまでの道筋を考えることが必要です。
これは地図を持って目的地へ向かうことと同じです。
目的地が決まっていなければ、どの方向へ進めばいいのか分かりません。
目的地が決まっていても、現在地が分からなければルートを決めることができません。
受験も同じです。
現在地が「学力・内申点・北辰偏差値」。
目的地が「志望校」。
そして、現在地から目的地までのルートを考えることが、受験戦略です。
私たち進学塾の役割は、そのルートを生徒・保護者の皆さまと一緒に考えることだと思っています。
高校の先生、中学校の先生、塾の先生。それぞれを上手に活用してほしい
高校の先生には、その高校について詳しく聞いてください。
中学校の先生には、学校生活や内申、進路について相談してください。
そして塾には、学力分析や志望校選び、併願校、受験までの学習計画について相談してください。
誰か一人の意見だけで進路を決める必要はありません。
それぞれの専門家から情報を集め、最後は本人とご家庭が納得して決めることが大切です。
進学個別アースリングは、その判断を支えるための**「受験戦略の専門家」**でありたいと考えています。
一つの学校だけを見るのではありません。
現在の学力、内申点、北辰偏差値、通学時間、本人の希望、そして将来の進路まで考える。
数多くの学校の中から、
「合格できる学校」だけではなく、「その子が進学して良かったと思える学校」を一緒に探す。
そして、志望校が決まったら、そこから逆算して合格するための学習計画を立てる。
それが、進学個別アースリングが大切にしている進路指導です。
