2026年度大学入試は本当に厳しかったのか?

~国公立大学・私立大学ともに「一般選抜」が狭き門になった理由~

2026年度大学入試の結果が徐々に明らかになってきました。

今年の入試を振り返ると、多くの高校教員や予備校関係者から聞こえてくるのが、

「一般選抜が例年以上に厳しかった」

という声です。

実際に河合塾が運営する大学入試情報サイト「Kei-Net」の集計結果を見ると、国公立大学・私立大学ともに一般選抜の合格者数が減少していることが分かります。

少子化が進む日本において、「大学受験は昔より楽になった」と考える方もいます。しかし実際には、人気大学や難関大学を中心に競争はむしろ激化しているのが現状です。

今回は2026年度入試の結果をもとに、大学受験の現状と今後の受験戦略について考えてみましょう。

国公立大学入試は本当に難化したのか?

まず国公立大学の一般選抜について見てみましょう。

河合塾の5月15日時点の集計によると、

【前期日程】
・志願者数:前年比100%
・合格者数:前年比97%

【中期日程】
・志願者数:前年比95%
・合格者数:前年比99%

【後期日程】
・志願者数:前年比95%
・合格者数:前年比95%

となっています。

注目したいのは、前期日程の志願者数が前年とほぼ同じにもかかわらず、合格者数が減少している点です。

国公立大学を受験する生徒数そのものは大きく変わっていません。しかし合格者数が減れば、それだけ競争率は高くなります。

特に後期日程は近年実施大学が減少しているため、倍率がさらに高くなる傾向があります。

国公立大学入試では、

「とりあえず後期でリベンジ」

という戦略が年々取りにくくなっています。

そのため、前期日程で確実に合格できる実力を身につけることが以前にも増して重要になっています。

私立大学の一般選抜はさらに厳しい状況

国公立大学以上に厳しさが目立ったのが私立大学です。

2026年度入試では、

・志願者数:前年比110%
・合格者数:前年比95%

という結果になりました。

志願者は増えたにもかかわらず、合格者数は減少しています。

当然ながら倍率は上昇します。

実際に倍率は、

2025年度:3.1倍

2026年度:3.6倍

となりました。

わずか0.5倍と思うかもしれませんが、受験者数が多い私立大学では非常に大きな変化です。

つまり、

「受験する人は増えた」

「合格できる人は減った」

という状況が起きているのです。

MARCH・日東駒専でも厳しさが増加

大学群ごとの合格者数を見ると興味深い傾向があります。

【早慶上理】
合格者数前年比105%

【MARCH】
合格者数前年比94%

【成成明学獨國武】
合格者数前年比98%

【日東駒専】
合格者数前年比89%

【関関同立】
合格者数前年比96%

【産近甲龍】
合格者数前年比96%

早慶上理はやや増加したものの、それ以外の主要大学群は軒並み合格者数を減らしています。

特に日東駒専は前年比89%と大幅減少です。

受験生の中には、

「MARCHなら何とかなるだろう」

「日東駒専は安全校」

と考える人もいます。

しかし現実には、こうした中堅上位大学ほど合格が難しくなっているのです。

なぜ一般選抜が厳しくなっているのか?

背景には大きく2つの理由があります。

理由① 総合型選抜・学校推薦型選抜の拡大

近年、多くの大学が年内入試を拡大しています。

総合型選抜(旧AO入試)

学校推薦型選抜(指定校推薦・公募推薦)

などで早期に学生を確保する大学が増えています。

その結果、

一般選抜の募集枠そのものが減少

しています。

例えば定員100人の学部があるとします。

以前なら一般選抜で70人程度募集していたものが、

現在では

推薦50人

一般選抜50人

というケースも珍しくありません。

つまり同じ大学でも一般選抜で合格できる人数が減っているのです。

理由② 私立大学の定員管理厳格化

もう一つの大きな理由が、

「定員管理の厳格化」

です。

私立大学は本来、合格者全員が入学するわけではありません。

そのため定員以上の合格者を出していました。

しかし文部科学省は、

「定員を大きく超えて学生を入学させないこと」

を求めています。

その結果、多くの大学が合格者数を絞るようになりました。

かつては定員の1.8倍近くまで認められていた時代もありました。

しかし現在は厳しく管理されています。

大学側も、

「合格者を出しすぎて定員超過になる」

ことを避けるため、慎重に合格者数を決定しています。

その結果、

倍率上昇

合格者数減少

難化

という流れが続いているのです。

少子化なのに大学受験が楽にならない理由

よく保護者の方から、

「子どもの数は減っているのに、なぜ受験は楽にならないのですか?」

という質問を受けます。

確かに18歳人口は減少しています。

しかし一方で、

大学進学率は上昇

人気大学への集中

推薦入試拡大

定員管理厳格化

という要因があります。

つまり、

「大学全体では入りやすくなっている」

一方で、

「人気大学や有名大学は以前より難しくなっている」

という現象が起きているのです。

2027年度以降の受験生が取るべき戦略

今後の受験生に必要なのは、

一般選抜一本勝負

という考え方から脱却することです。

もちろん学力を高めることは最重要です。

しかし、

総合型選抜

学校推薦型選抜

英検利用入試

共通テスト利用入試

など複数の入試方式を研究することも大切です。

特に英検準2級・2級取得者は利用できる大学が年々増えています。

また高校1年生・2年生の評定平均も重要になっています。

以前のように

「高校3年生から頑張ればいい」

という時代ではなくなりました。

まとめ

2026年度大学入試は、国公立大学・私立大学ともに一般選抜が厳しい結果となりました。

特に私立大学では、

志願者増加

合格者減少

倍率上昇

という状況が見られます。

背景には、

・推薦入試の拡大
・定員管理の厳格化
・人気大学への志願者集中

があります。

今後の受験生に求められるのは、

「早めの準備」

です。

高校1年生から評定平均を意識し、英検などの資格取得を進め、一般選抜だけに頼らない受験戦略を立てることが重要です。

大学受験は情報戦でもあります。

早く動いた生徒ほど選択肢が増え、合格の可能性も高まります。

2027年度、2028年度入試を目指す皆さんは、「まだ先の話」と思わず、今からできる準備を始めていきましょう。